どうですか、皆さんの周りも春めいてきましたか?東京はあと2週間もすれば桜がきれいに咲くというのを聞きましたが、そんなポカポカ陽気まではまだドイツは遠そうです。それでも、春の気配はあるんですけれどね。クロッカスが沢山咲いてるし、庭の植物も新芽が出ているので、そんなに遠くはない春に僕は思いを寄せるのみです。
さて、先週ブログを書かなかった、というか書けなかったのはロンドンにちょと里帰りをしていたんです。1週間ほどの滞在。今回も電車で旅をしてきましたよ。僕の町から、ロンドンのセントパンクラス駅まで約11時間の旅。
音楽を聴いたり、外を眺めたり、本を読んだり、書き物をしたりしていたらロンドンについたという感じで苦ではありませんでした。今回は特に電車が遅れたとかもなかったし、電車でロンドンに向かうのもこれが2回目だったので心の余裕があったようです。
そんな行きの電車の中で、ドイツ語のシャワーを浴びるとは思ってもいませんでした。ケルンーブリュッセル間のICE、日本でいう新幹線に乗り込んだのですが平日の昼間というのに結構な乗客率。席の予約を取っていなかったので空きを探すも、最初の車両は空きなし。2両目でやっと、ひとつ空いているっぽいところがあったので空きの席の隣に座るおじさんにドイツ語で、「ここあいていますか?」と聞くと空いているという答えが。
重いスーツケースを網棚にあげて、ジャケットを脱いで席に座ると、おじさんが「今日は席があまりあいていないよね。」と言われたので、「そうですね。人が多いですね。」と返したのが始まり、そこからおじちゃんとドイツ語でのおしゃべりスタート。と言ってもほとんどしゃべっていたのはおじちゃんなんですけどね。
なんでもおじちゃん、ニュージーランドに旅行に行って来て今その帰りなのだとか。「ニュージーランド=英語圏」ってことは英語喋れる?って質問を投げたら英語は喋れないとのこと。僕の楽をしようとした作戦はこうして潰されたのでした。こうなったら仕方がない、わからないなりに聞いて理解するしかないなって肝が据わりました。
そうすると面白いことに、なんとなくわかるんですよね。おじちゃんが言っていることが。もちろん僕の稚拙なドイツ語力では全部の文章がわかるはずもなく、聞き取れた単語から何を言っているのか頭に浮かべて何を話しているのかを考え出すというもの。これが初心者のできることなんですよね、っていうかこれしかできない。そこでわかったのは、おじさんは団体でニュージーランドへ行ってバスでみんなで移動して、多分大型のコンテナみたいなのがあってそこで料理も、寝起きも出来るという旅立ったこと。そして2週間でニュージーランドをくまなく回ったこと。かなり高い山にも行ったこと。原住民のマオリの話、気候の話とニュージーランドの名産物の話が語られました。おじさんは次の駅だったのでその間の30分間はひたすらドイツ語のシャワー。途中で話が分からなくなると、おじさんの話を止めて単語を聞いたり、自分で説明してみたりでどうにかわかりました。
これも度ならではの出来事だなっておじさんが去ったとに思ったのと、もう1つ感じたもは勿論、満足感。見ず知らずの人と、何もないところから会話を30分で来たという喜びでした。これが語学学習の一番のうれしさなんですよね。
今回は旅の途中では色々な人と話したという訳ではないのですが、短い出会いがありました。
ブレーメンからケルン迄の道のりは席が結構空いていたのですが、中年の女性がなぜか僕の隣に座って来て座る時に微笑んでくれたので、こっちも笑顔で答えたんですね。その後、言葉をかけるわけでもなかったのですが次の駅までの15分間ほど僕の隣にいて帰り際に「さよなら」と笑顔で電車を降りて行ったし、ケルンの待合所では荷物が多い女性が僕の前に座って、「トイレに行く間、荷物を見ててもらえますか?」と頼まれたり。もちろん快諾しましたよ。
何か、見ず知らずの人に声をかけてもらえるのってびっくりもするけれど嬉しいものですね。