ドイツは穏やかな朝を迎えています。最近ものすごく早起きな生活をしていて目覚めが日の出という健康生活。だけど、朝早く起きると空気は澄んでまだ冷たいし、いろいろなことを沢山できるのでこの生活スタイルが気に入ってもいるんですよね。
僕のロンドンのフラットは朝日の感じはわかるんですが直接的に日が差し込んでくるのは午前10時ぐらいなので、このユリ君のフラットのように朝日が昇ってくるその時の大きな光みたいなのはないんです。だからその太陽の明るさと暖かさを感じられるのは嬉しいことです。
さて今日は時間を少し戻して、僕がドイツまで旅してきた道のりについての話を書こうと思います。
普段はロンドンから飛行機でドイツに飛んでそこから電車で2時間というのがお決まりのパターンでったのですが。今回は僕の街からユリ君の街まで電車で行こうというものに。飛行機チケットがこの時期高かったのと、電車だと持ち込み荷物の規制がゆるいし沢山持っていけるのもあってこの旅程に。
朝の5時11分の電車ででかけてユリ君の街につくのが午後5時半。イギリスとドイツには時差が1時間あるので11時間ほどの電車の旅なのです。順番としては僕の街からロンドン中心地の駅であるセイントパンクラス駅に行き、そこでユーロスターに乗り換えてベルギーの首都ブリュッセルに。15分の短い乗り換え時間で今度はドイツの新幹線であるICEにのって大聖堂でも有名なケルンで乗り換えてユリ君の街まで。
ちなみに電車のチケットはウェブサイトで購入。自分で印刷して持っていくだけなんです。
見てわかるようにただのコピー用紙です。そこに乗客の名前とQRコード、そしてロンドンからの乗り換えの電車の名前や駅名が書いてあるだけの簡素なもの。
ロンドンでの出国手続きも簡単でした。荷物検査の向こうに小さなデスクがあってそこがイギリスの出国デスク。その10歩先にもう1つのデスクがあってここがフランスの入国デスク。その後はユーロスターに。ユーロスターって僕が学生の頃にイギリスとフランスを結ぶ海底トンネルができてそこを走るってニュースになっていたのを思い出させます。多分中学生かな?テストの問題に出た気がするんですよね。イギリスに住んで10年以上もたつのに実はこれがユーロスターに乗るのは初めてなんです。車内は旧型だったのか少し古いなって感じで。乗り心地は悪くはありませんでしたよ。
ブリュッセルの乗り換え時間が15分なので駅に着く少し前に席を立って降車口で待機。ただ、乗り換え用の通路があって余裕をもってICEに。こちらはドイツの新幹線とあって車内もきれいだし、携帯を充電で切るようにコンセントも完備。残念ながらこの快適な電車は2時間足らずで下車。
ケルンでは1時間半ほどの乗り換え時間があるので駅になるベンチに座って読書をすることに。ここで気が付いたのが物乞いの人の多さ。しかも本を読んでいる僕に近寄ってきていろいろな言い訳でお金をねだられるんです。僕はすべてNOで通して次の電車のプラットフォームへ。
これが最後の電車なのですが、4時間という長丁場。ユリ君から僕が乗るこの時間の電車は旧型だからと言われていたのですが、乗って納得。昭和時代を感じさせるレトロな特急。僕はボックス席を予約していてそこは3人1列で対面の6人掛け。幸運なことにも混んでいなかったので最後の駅まで3人だけ。座席の上には網棚とその下には長方形に長い鏡があって空間を広く見せる工夫が。テーブルもガチャリと倒す感じの旧式で、けどそこが味わい深いなって思いながらのスタート。
走り始めて40分。突然に電車が止まりそこから15分ぐらい動かず。車掌さんが行ったり来たりしていて、何かが起きた模様。アナウンスが流れるもドイツ語のみ。すると、真向いの中年の女性が英語で何が起きているのか教えてくれました。どうやら前を走っている電車に不備が起きて同じ線路にいる僕たちはそのせいで足止めを食らっているのだとか。
それがきっかけで4時間の長い旅の間ときおりこのおばちゃんと話すことに。おばちゃんは最終駅でフェリーに乗りかえてある島に行き、そこであるコンサートを見に行くんだとか。しかも1週間という休暇もかねて。車掌から流れる景色で面白いものがあると、”ここは造船業が盛んで、小さな町だけれども行政は潤っているのよ。”とか、”このレンガ造りの建物は少年院よ・”など。僕のいく街の名前をいったら、”数日前の新聞にマチェス<ニシンの塩漬け>が今は旬で、その街に有名な製造所があるって書いてあったわよ。”など親切に教えてくれました。
結局、電車は40分遅れでユリ君の街に到着。それでも、この遅れがあったからこそこの女性と話すこともできたわけだし。よかったなって思いました。
長い旅ってその旅程でいろいろな人に会えるからいいですよね。今回も素敵な旅の始まりとなりました。