日本はすでに金曜日の朝ですが、こちらはやっと金曜日になったところです。
昨日は朝から起きて、いろいろな所に手紙を出しに行ったり、手続きをしたりと動いていたら午後3時。なんにも食べていないのに気がついて遅めの昼食に。バタバタがあと数日間は続きそうですが、頑張ります。
イギリスも昨日は雨の予報が覆り、太陽光が注ぐ暖かな日で夏日和。色々なところに歩いていかなくてはいけなかったので、この天気には救われました。夏日とは言っても、日本のように残暑厳しいものではなくて涼しげな風が吹き抜ける感じで熱帯夜とは無縁のロンドンです。あと、蚊がほとんどいないので網戸なしで窓を開けっ放しでいられるのはいいですよね。
そんな涼しい夏がイギリスの良さですが、もっと涼しいとこもありますよね。
それが今回お勧めする本。
前にこんな本読んでますって紹介したと思うのですが、ドイツまでの電車の旅で読み終えました。
これ、アドベンチャーも何にも知らないコミック画家のご主人と、その奥さんが、ある日思い立って、カナダの大自然の中をカヌーで、オンボロ車で、旅をして定住するまでの本当のお話。
この1−2年、アラスカにものすごく興味を覚えて。それもきっかけはある本だったんですよね。星野道夫さんってご存知ですか?アラスカで写真家として活躍してアラスカの地の原住民やネイティブアメリカンの人たちとも交流し、アラスカの自然の美しさと厳しさをカメラに収めた人です。写真に限らず本も出版されているんですよ。この本達がものすごく興味深い。僕が最初に読んだのが”旅する木”とい本。1つ1つのエッセーは短いんですがじょうけい豊かで、人情が溢れていて、その伝わってくる温度が気持ちいい1冊です。
それもあって、このカナダの北部を含むアラスカ地帯に興味があって、この本を選んだのです。最初はカヌーの乗り方も、どうやって大自然の中で生きていくかも分からない二人と、拾った犬1匹で無謀な川下りをしたり、病気になったり、資金が底をついてきたりするんです。”もうダメかな。”みたいなことを何度も乗り越えてだんだんと逞しく大自然の中を生き抜いていく2人の成長は読んでいて飽きません。
白夜のために、今が朝の9時なのか夜の9時なのかわからまくなったり、大自然の中で今日が入った何曜にで何月何日なのかもわからなくなったりと、本当に現段社会から離れて過ごすことも。けどそれは、このユーコンの自然の中で知っていたところで何も役に立たないから。それよりかはどうやったら熊が自分のテントに入ってこないか、川の中のどのコースを行けばカヌーが転覆せずに先に進めるかの方が彼らにとっては遥かに重要なんですよね。
社会の一般常識が通じない大自然の中で、お金や名声の存在の儚さ。何も着飾っていない自分自身という存在に向き合って、その中から社会が人間に与える必要なものではなく、自分だけの人生には何が必要なんかを見極めていく事におもしろさを感じました。
果たして僕の人生には何が必要で、何が不必要なのか。その答えが少しづつ出てきているようにも思います。
皆さんは、自分の人生で何が必要で、何が不必要なのにそれにしがみついているものってありますか?