日本は夏日のようですね。僕の街は最高気温が10度で、風が強くて肌寒い1日に。なので、暖かなジャケットを着て登校しました。本当に秋のような気配で、”ここは季節が真逆の南半球ではないのかな?”って思うほど。
今日も朝の5時半に起床。ユリ君は出張中なので1人での朝ごはん。ただ、この季節は日の出の時間も早いので朝の5時半でも外は明るいのは助かります。6時15分に駅に向けて歩き始めるのですが、ここ最近よく見る猫がいるんですよね。
黒猫で、だけど後ろの2本脚だけ靴下をはいたように白色の猫。道端にいてその横を通り過ぎようとしたら寄ってきたので、ちょっと撫でてまた駅へと向かう足取りを早めてすすんだ数日前がその猫との最初の出会い。そして昨日もその猫を発見。早朝の住宅街に道は車もいないので僕はその真ん中を歩いているのですが、遥か30m先にその猫が左から右に道を渡っているのが見えたんですよね。”今日はちょっとすれ違いだな。”って思ってみてたら、道の真ん中でその歩みを止めて僕のほうを見る猫。
するとそのまま、道路の真ん中に座り込んでしまいました。
僕と猫の距離は僕が歩みを進めるたびに縮まっていきます。そう、この猫は僕が車でずっと道に真ん中で待ってくれていたんですね。それで道の真ん中というのも何なので左側に僕がよけるとちゃんと歩道のところについてきて撫でられにくるんです。かわいらしいなと思い少しだけ一緒に遊ぶことに。ただその後に電動自転車が来て、すぐに逃げて行ってしまいましたが、、、。早朝はいろいろなことがあって通学が楽しいものです。車が少ないので空気もおいしいし、この時間に起きて外で出会う人って犬の散歩だったり、庭仕事をしたりする人たちでゆっくりと余裕をもって動いている感じ。呼吸を深くしているような人たちが見れることも何となく幸せにしてくれるように思います。
新しい街に引っ越してから”余分な時間”っというのが増えたんですよね。
これは電車通学というのが大きな理由なんですが。僕の田舎町の鉄道は1時間に1本しか走っていないんですよね。ということは何かの拍子に乗り遅れると1時間待ち。この前は授業が終わって駅に着くと僕の乗るはずの電車がキャンセルに。何もすることがないのでフォームのベンチで宿題をして過ごしました。けどね、その日は20度ぐらいあって太陽も眩しくて、”これも日光浴だな。”っておもったら待つのも悪くないかなって。
余分な時間はまず、学校につくときにはじまるんですよね。僕の電車は7時15分に着くので授業の始業時間まで45分持て余すんです。学校の建物は開いているけど、教室は施錠しているから8時10分前位しか入れない。さてどうしようと考えて校内を探検することにしたんです。すると見つけてしまったんです。秘密の隠れ場所。僕の学校は結構大きな建物で6階建て。階段も左右と中央に3か所あり。中央階段がメインで左右の階段はどちらかというと非常階段という感じでしょうか、ただ幅はかなり広め。そのひとつを登りきるとなぜかものすごく小さい空間があるんです。登りって見えるのは床から天井までの一面の窓ガラスに広がる街の景色、そしてその間には机が1つと椅子が4つ。窓は東側に位置しているのでその時間には太陽がさんさんと降り注いでくるんですよね。誰も来ないようで、いつも僕はそこで朝の30分朝日を浴びてその日の予習をして授業に向かうんです。これがね、なんとなく楽しいんですよね。自分だけの秘密基地みたいで。
帰りの電車をホームで待つのは20分ほど。この季節は太陽が出ていることも多いし、風がそよぐのも気持ちがいいのでベンチに座って宿題をする時間に。そして電車に乗り込むのですが、ここを走っている電車はほとんど2階建て。いつもの視線より少し高いところから景色を見れるというのは楽しいですよね。しかもドイツ北西部はどこまでもひたすらにまっ平。真平の緑のじゅうたんが広がっている感じ。その中に馬や牛が草を食んでいたり、野ウサギが駆けていたりと面白い光景が見れます。いつも通っていると色々な発見もあるんですよ。たとえばね、朝の牛は駆け回るくらいに元気がいいけど昼過ぎには寝ているか立ち止まっているほうが圧倒的に多いとかね。あとは庭と家の観察。”あの家は素敵なのに、庭の管理がよくないな。僕だったら、あそこに木を植えて、ここには野菜の畑を小さく作って、その周りに花を植えるなとか。”1人での空想時間。
また家からの徒歩ではほかの家を観察したり、庭の木や花の成長具合を観察したり。”あー。この花は咲いてるときは綺麗だけど、枯れる時が悲しいな。”とか、”自分の庭に植えるならこの木かな。”とか。あとはどの家に住みたいかをいろいろな角度で考えて甲乙をつけてます。すると25分の徒歩が苦痛じゃないんですよね。
ロンドンの生活ではそんな穏やかな時間を持ってなかったなって今になって思います。地点Aから地点Bまで一心不乱に早足で進んでその道程を十分に楽しんでいなかったなって。
一見無駄と思える待ち時間とか、移動時間にこそ目を凝らすと意外な発見や面白いことが隠れていたりするので是非、探してみてくださいね。