不思議な人のおかげで

金曜日の夜。僕の過ごす今日の夜はゆっくりと更けています。仕事で疲れた体を引きずって、暖かなお風呂に入って、心に良い意味で引っかかる映画を見て、今コーヒーを飲みながらこのブログを書いているところです。

真夜中のコーヒー、僕は好きなんですよね。いつも飲むわけではないのですが時に飲みたくなって。少し濃いめに淹れてそこに少しのミルクを足すのが好きです。”夜中に飲んだら眠れなくなるんじゃないの?”ってよく言われるのですが、僕の体はカフェインで眠気が覚めるということがないようなのでそこは安心してください。現に、僕の脳は半睡している感じがします。

今日はちょっと、面白いことがあったのでご報告。

いつも仕事終わりに乗る電車があるんです。ロンドンからこの駅が始発駅なので早めに行っても車内で座って待っていることができるので便利。いつもならば出発の10分前ぐらいに着くので余裕で座れるのですが、今日は仕事終わりが15分遅くて地下鉄の駅から僕の駅まで走ってプラットフォームに行くときには出発の2分前。しかもいつもは8両編成なのに今日は4両編成。この電車の10分前に同じ方面に行く快速は今日に限って20分の遅れ。だから、電車はぎゅうぎゅう詰めになっているではないですか、、、。

日本って満員電車が本当にすしづめって言われるくらいビッシリでしょ。僕の背の低めの友達の体験談では手を何かで握るスペースもなく人と人の間に挟まれて浮いているような状態なんだとか。(僕は日本にいた時は田舎暮らしなので、この恐ろしさを知らないんです。)

イギリスは少し違って、満員電車はあるのですが人が身動き取れないくらいにまでぎゅうぎゅうに入ってくることはないんですよね。もちろん、日本のように駅の係員がお客さんを押し込んでくれることもなく、乗れそうになかったら次の電車を待つというのがイギリス風。

ただ、イギリス風で少し問題な点が。電車の乗降口にはたくさん人がいて入れないほどなのに、通路で立っている人が時につめていなくてあと数人は乗れる場合があるんです。こんな時、イギリスでは扉のところで”もうちょっと中につめて下さい!”って頑張って声をかけたりするんです。

僕が見た時も真ん中の部分がぽっかり空いていてあるおじさんが中に進もうとしないのでデッドスペースに。”これは、乗れる。”そう思って車両の真ん中の窓をトントンと叩いて中の乗客の人の気を引いて手で”もっと進んでください”のジェスチャーをしました。少しは列が動いたものの扉の前までは効果なし。

プラットフォームでは笛が鳴り響きもう直ぐ発車の合図が。

だけどどう見ても人が一人入れるスペースがない、、、、。”これはもう次の電車で我慢しよう。”

そう思った時、不思議なことが起きました。

扉の真ん中に立っていた男性が、”乗りなよ。”と本当に少しだけのスペースを空けたんです。”え、いいの。スペースあんまりないけど、、、。いいかな?”と僕が言うと周りの人も気持ちサイドに避けてくれてどうにかおさまることに成功。

これで次の駅で降りてローカル線に乗り換えれるな。って思って次の駅で降りて走って階段を駆け上がっていると、ドラキュラ伯爵が高らかに笑うような奇声が聞こえてきました。”ハハハハハッ〜!!” ”ハハハハハー!!”みたいなかなりの音量で。しかもあんまり遠ざからないのでその奇声をあげている男性も同じくらいのスピードで走っている感じ。階段を上がって僕は左に、その声は右に行ってその後はまた何もなかったように静かに。

乗り換えの電車に乗って”あっ!!”と思ったことが。多分、あの奇声をあげていた人は僕に”乗りなよ。”って勧めてくれた人なんですよね。

実は数週間前に身なりをジャケットなどできっちり決めて、雰囲気もかっこいい男性が同じ時間の電車に乗っていて、一人でぶつぶつと喋っていたんです。最初は携帯で誰かと話しているのかな?って思ったんですが、話している内容がまるでトンチンカンな内容で。袖は伸縮性があるものでないと。”みたいなことをしきりに言って笑ったり。”こんなにオシャレにしているのに、ちょっとおかしい人かな?”って思っていたら僕が今日降りた駅でその時も降りて行ったんです。

”変な人だな。”って勝手に思っていたけど、それだけで判断しちゃいけませんね。僕は彼の”乗りなよ。”って一言があったからこそあの電車に乗ることができたのですから。

自分の物差しや価値観だけで他人にレッテルを貼ってしまう自分に反省しました。

 

 

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