悲しい夢を見たな。のどが少しだけイガイガするなー。おなかも少しまだ膨らんでるなー。肩がこってるなー。右足のかかとの皮が少しはがれそうだな。左足のふくらはぎが痛いな。というのが朝起きた時の感想。
だけど、なんとなく満足感を感じるんですよね。
なぜかって?だって、その前の土曜日が物凄く長い1日だったから。もちろん悪い意味でなくて、本当に長い1日だったんですよね。
起きていた時間でいうと朝の4時から、夜の11時半。この日のほとんどを起きていたっていうことになりますよね。普通は夜眠らなくてほぼ徹夜になったっていうのが一般的ですが、そこは健康優良児の僕ら。起きる時間が物凄く早いという状態。前日の夜は9時に就寝。なので、朝4時起きだったのですが、7時間はちゃんと眠れました。
朝4時に起きて、いったい何をと思うでしょ。話は前日の金曜日に戻ります。
10月にユリ君と僕は日本に行くのですが、そのメインイベントの1つでもあるのが熊野古道を歩くこと。1日では回れそうにないので、途中で1泊してのハイキングになるんですよね。地図を見る限りでは高低差はあるにしても距離的には1日20kmもないくらいなので、普段よく歩いてる僕たちにとっては問題ないかと。ただ、ユリ君がこの熊野古道の前に足を少し慣らすためにハイキングに行っておきたいと言っていて、じゃユリ君の友達も誘って来週の終わりに行こうかと計画をしていたんです。なので、今週末は本当は穏やかに過ごす予定だったので金曜日の午前中に10km走りに行った僕。ユリ君が帰ってきて、”ちょっと、変更がある。”とのことを言うんです。ハイキングに行く時に使う電車の一部の路線が来週は工事のためにバスサービスしかないとの事。すると、2時間移動時間が増すことに。
たった2時間と思うかもしれないのですが、問題はその移動時間の長さ。実は北ドイツってオランダと似たような地形で、海抜0mか、それより少し高いところしかない平地が多いんです。なので、標高差がある山を求めるとハルツ地方にある北ドイツ1の高さを誇るブロッケン山行くのが1番近いんです。近いといっても電車で片道5時間。なので、これにあと2時間足すと7時間。往復14時間の移動時間に。これだと長すぎるので、来週のハイキングは中止に。けど、それでも行きたそうなユリ君だったので急遽、ハイキングを強行することに。それだったらば10kmも走らなかったのになーとは思いつつ眠りにつきました。
まだ暗い4時。お茶を水筒に入れたり、途中で食べるチョコレートやサラミを入れて準備完了。電車を2回乗り換えてスタート地点に到着。今回ユリ君が選んだのは悪魔の道のひとつ。そう、悪魔の道なんです。ここブロッケンは悪魔や魔女が年に1度集まって集会を開くことで有名なところでもあるんですよね。その影響もあってこんな名前ですし、悪魔の道にふさわしい道のりでもあるんです。
ドイツは道すじの標識がいたるところにあるので便利なんですよ。悪魔の道もわかりやすいように、悪魔マークがついているでしょ。
この道、最初から急な登り。登り切ったと思ったら、また登りが。そしてその次にはなんと下りが。そしてせっかく下ったのに、また登るという、、、、。本当に悪魔の仕業の様です。しかもね、上の写真にあるように残り12kmってあるけど、この標識が3回ぐらいい同じ12kmで、”これも悪魔の仕業か!!”なんて思ってしまいました。
その後、落ち着いた道のりを進むと、大きなダムが。なんでもここは昔、水面の真ん中で西ドイツと東ドイツを分けていたそう。ダムの上ある道の途中にその標識が。歴史を感じさせてくれますね。東西ドイツが再統合されたとき、ユリ君は幼いながらもこの地に住んでいたと思うと何か不思議な感じ。僕はその時小学生低学年で、テレビの映像を今でも覚えています。あと、たぶんCMで使われたのか、カップヌードルとこの映像もリンクしてるんですよね。
近くには湧き水もあってそこで水分補給。冷たくておいしい!!水にうるさい熊本県民もこれは納得のおいしさ。
穏やかな景色を後にブロッケン山に道は登り始めました、
すると、まあ、のぼり、のぼり、のぼり、のぼり、のぼり。ひたすら上り坂。ものすごく急な坂を上り切って少し平らだなって思って角をまがるとまた急な上り坂。最初は、”いいね。いい運動になるね、このコース。”なんて気楽にしてたんですけど、途中で無言に。途中で眺めがいいところに写真を撮ったのですが、見えますかはるか下に先ほどの湖がみえるの。ここからもっと上がっていきます。
頂上は何かサンダーバードの基地みたいでしょ。東ドイツの頃はここはスパイ基地として使われていたそうです。ここで昼ご飯を食べて一息。特にすることもないので下山することに。この時に踵にちょっと痛みが。間違って普通の靴下を履いてきたからちょっと靴ずれみたいになったみたい。
帰り道は2つの選択肢があって、ゲーテの道(ゲーテはこの地方によく滞在したらしく、ここを散歩道にしていたらしいですよ。ちなみにブロッケンは彼の戯曲ファウストでも出てきます。)因みに詩人のハイネリヒ・ハイネもこの地方になじみが深い人の1人です。このゲーテの道はユリ君曰く、短いし素敵な景色があまりない。もう1つは距離は長いけれど川の横を通って素敵な景色が見れるよというので、後者を選んで進むことに。
先ほどの急な上り坂を今度は下ることに。最初は下りは楽だねって言ってたのですが、あまりの急こう配に膝への負担が大きい事。しかも僕のお腹がどうもおかしい。僕、おなかの調子が時におかしくなることがあるんですよね。ひたすらおなかにガスが溜まっていくということが起きて、今まで平らだったおなかが段々、身籠ったかのように少しづつ膨らんでいくんです。最初はそこまで気にしないで歩いていたんですが、後半はもう足も痛いし、肩は荷物でくい込み痛いし、おなかは膨らんで死にかけの状態に。それでも時に素敵な景色が。ユリ君も滝の横で一休み。
ようやく帰り着いた時には夜の11時過ぎ。もう、疲れたの一言。お腹のふくらみも治まって、シャワーを浴びた後の爽快感が心地よくてベッドに。疲れたけれども達成感のある1日なりました。