オーストリアでハイキング 初日

秋の穏やかな1日。今住んでいるところはドイツの西端なのでこの季節になると日の出の時間が遅いんですよね。今日は7時49分。まだ夏時間であるためと、日照時間が短くなったせいでこうなるんですが、少し遅めの日の出も悪くないものです。なぜかというとランニングへと出かける時間が今日は8時20分だったのですが、ちょうど太陽が上がって来てすべてを金色に染めている時間帯で空気も澄んでいるし、目の前は太陽光が燦燦と降り注いでいるしでいい1日の始め方ができました。

さて、休暇の話。

僕たちが今回最初に訪れたのはオーストリア。僕はこれが2回目のオーストリア。前回はスキーできたんですよね。一面の山に雪、雪、雪。だった景色が山を残して一面がアルプスの少女ハイジの世界に大変身。

まずは僕たちのベースキャンプとなる街を紹介したいと思います。僕たちの住む北西ドイツから真反対、南西および南ドイツに国境を接するオーストリア。この旅で車でドイツを横断した僕たちが向かったのはRaurisラウリスという小さな町。人口3200人ほどの小さな町ですが、夏はハイキング、冬はスキー客で賑わうようでペンションやホリデーアパートが町のあちらこちらにあります。ただ、アジア人と含む有色人種の観光客はほとんど皆無。なので、歩いているとよく視線を感じます。

これがラウリスの町。左側の斜面がスキー場で、このU字の地形は氷河によって作り出されたものです。僕たち泊まったのは写真中央に見える下から白、茶、青い屋根の建物。値段が安かったらしくて2人しかいないけど寝室は2つという広さ。ただ、備えてある家具とか調理道具はイマイチ、、、。最大6人で泊まれるのだそうですが、僕たちが思うに3人がベストかな。6人だとそこまで広くない居間のソファーベッドを使うことになるし、ダイニングテーブルも4人ではちょっと手狭な感じ。もちろん、今回は2人なので問題はなかったのですが。

前日の夕方にチェックインをして、その日は疲れて夕飯も中途半端に就寝。ただ次の朝にはユリ君の元気の良さ。まだベッドにいる僕を寝かせてくれたままスーパーへ朝の買い出しへ。ここでちゃんと昼ご飯の在位量も買ってきてるから準備万端。

朝9時過ぎにはハイキングシューズを履いて出発。ユリ君曰く、「今日は慣らしでそこまで歩かないようにしようね。」とのこと。

ラウリスは標高920m。僕たちの住んでいるドイツ北西部は標高マイナス1mくらいなのでその差に驚きます。僕の地元の阿蘇市が520m。ここでも結構高いのにそれよりも400m高いところからのスタート。しかも最初から急な登りがずっと続きます。脳の中で血管がどくどくと脈打つのが感じられるんほどに。

ドイツもそうなのですがオーストリアもいたるところにハイキングの目印があって迷うことなく登れるのは有難い。たくさんのコースがあって道のようにすべて番号が振ってあるのでそれを頼りに進めばいいだけ。

番号は分岐点にのみ書いてありますが、その途中の目印はこんな感じ。

ハートマーク。かわいらしいですよね。体中で息をしながら必死にこのマークを探すのでハイキングの最中は可愛いなーなんて思う余裕もないのです。まるでヘンゼルとグレーテルが落したパン屑を必死で追っているそんな気分。

9月中旬なのに夏日で、Tシャツは恐ろしいほどに汗だく。人間の体の多くは水分だっていうのは本当だなっていうぐらいにドンドン出てく汗。最初の1時間はひたすら登りました。そして少し開けた平らな土地が見えてくると同時に聞こえてくるカラーン、コローン、シャラーンという谷に響く音。牧歌的という言葉がぴったりなちょっと間の抜けた音が耳に聞こえます。その音はどこからかというと、

牛さん。この急斜面に放牧されている牛たちが首につけた鈴を鳴らして歩いているんですね。ただすべての牛がこの鈴をつけていると五月蠅いためか、中の数匹が付けているだけでした。あくまでも牛さんが優先で牛の間を申し訳なく歩きます。するとね、近づいてくるんですよ。この後他の牛も来て僕の周りは牛だらけ。やっぱり、牛にもアジア人の姿は珍しかったようです。笑

その後歩き続けて最高標高地点で2000mまで登ることに。ここあたりの地形は氷河が作り出したものなので標高が一気に上がっていくのが特徴かと。2000mといえども、そこは山頂ではなくて山と山の峠のようなところ。ここの辺りは2300-3100mの山々があちらこちらにあります。

ここラウリスでありがたいのがあちらこちらに湧水が飲める場所が設置されていること。僕たちもペットボトル数本を持参していくのですが時間とともにぬるくなるし、飲みすぎないように気を付けるのですが、この地域ではその心配がさほどないかと。いつでもおいしくて、しかも冷たい水がいろいろなところで湧き出しているから。飲み場も木の枠の中に水が落ちるようになっていて素敵な風情。

結局この日7時間も歩いたことになりました。幸いにもバスタブがこのアパートにはあったのでお湯を入れて疲れた足をお湯に浸すとまるで溶けていくのではないかというような心地のよさ。いつもはシャワーしかないので、この入浴が幸せタイム。

天気にも恵まれてよい初日となりました。

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